イベントレポート
「社会人博士と話しませんか? 留学編」〜学生のリアルな熱気と、一歩踏み出すための選択肢〜
TOVLABにて、社会人博士学生として岩手大学で植物の研究に取り組みながら、盛岡市役所で国際交流の仕事に携わる千田夏美さん主催によるイベント「社会人博士と話せませんか? 留学編」が開催されました。
「社会人として働きながら博士課程で学ぶ」という多様な生き方にも学生たちの関心が集まっていましたが、今回会場の熱が最も高まったメインテーマは、やはり「留学」と「英語」でした。私たち運営側から見た当日の熱気と、リアルな対話の様子をレポートします。

「このままでいいのかな」という焦りが、一歩を踏み出す力に
イベントの冒頭、千田さんは自身の大学時代の留学経験や、現在のキャリアにつながるまでの歩みを共有してくれました。
大学の長い夏休み。「アルバイトだけで大学生活が終わってしまっていいのだろうか」「何かに挑戦してみた方がいいのではないか」。そんな漠然とした焦りを抱える中で、一歩踏み出すための選択肢となったのが「留学」だったといいます。
「今の仕事も最初から目指していたわけではないけれど、留学経験と少し英語が話せるというバックグラウンドが、盛岡に戻ってきた際に今の仕事(国際交流)へとつながりました」。その言葉に、同じように「何かしたいけれど、何から始めればいいかわからない」と等身大の悩みを抱える学生たちは深く頷き、会場の空気がグッと引き込まれました。


「始まる前」から始まっている、話しやすい場づくりの魔法
今回、これほどまでに対話が盛り上がった裏には、主催者である千田さんのきめ細やかな工夫がありました。その一つが「イベント開始前のコミュニケーション」です。
参加者が集まり始めてから開始時刻までの間、千田さんは積極的に学生たちの輪に入り「今日はどんなことに興味を持って来てくれたの?」と声をかけていきました。この「来てくれた人と話すところから、もうイベントは始まっている」という千田さんの意識が、TOVLABならではの“オフィシャルすぎない、本音で話せる空気感”を作り上げていました。

会場の熱が最高潮に!リアルな不安が飛び交う「英語学習・留学Q&A」
フリートークの時間に入ると、参加者から千田さんへ向けて次々と質問が飛び交いました。チラシには「聞くだけOK」と記載していましたが、実際には全員が明確な「自分の聞きたいこと」を持って参加しており、特に「英語系の話題」では質問が途切れることがありませんでした。
学生たちが抱える語学力や将来へのリアルな不安に対し、千田さんは自身の経験をもとに、非常に実践的で心強いアドバイスを返してくれました。
Q.「英語ってどう勉強すればいい? 現地で通用するの?」
A.「英語はとにかく、何度も口に出してしゃべることが上達への道!」と前置きしつつも、千田さんが強調したのは『単語』の重要性でした。「最悪、単語さえ口に出せれば意味は通じる。でも逆に、相手の言った単語が聞き取れないと、そこで会話がストップしてコミュニケーションが取れなくなっちゃう。だから、まずは単語をしっかり覚えることが大事!」という超実践的なアドバイスに、学生たちは熱心にメモを取っていました。
Q.「留学前に資格は必要? 就活にどう影響する?」
A. 資格については、「TOEICでももちろん良いけれど、ガチでアカデミックな留学を目指すなら、TOEFLやIELTSに挑戦するのもおすすめ」と具体的な目標設定を提示。さらに、「留学の経験は、間違いなく就活での強力な『ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)』になるよ!」と力強く背中を押す場面もあり、学生たちの表情がパッと明るくなるのが印象的でした。
また、会場にはすでに留学を経験している学生も参加しており、千田さんの話に加えて「自分の時はこうだったよ」と自身の体験談をシェアする場面もありました。経験者と未経験者が混ざり合い、学生同士でもシナジーが生まれていたのは、このイベントならではの素晴らしい光景でした。


イベントを終えて〜広がる次なる展開〜
テーマを「留学」に絞ったことで、参加者が当事者意識を持ちやすくなり、結果として熱狂的な対話が生まれました。
千田さんは今回の手応えを受け、今後は言語の勉強方法や国際交流に特化したイベントはもちろん、今回学生たちから予想以上の反響があった「社会人博士」そのものをテーマにした企画も視野に入れているとのこと。近いうちには、フランス人ゲストを招き、クレープ作りを通じて「実際のフランスのイメージ」を本音で語り合う国際交流イベントも予定されています。
留学は、決して特別な人だけの選択肢ではありません。大学生活の中で自分の世界を少し広げたいと思った時、そこには多様な道が広がっています。今回のイベントは、千田さんというロールモデルとの交流を通して、学生たちが自身のキャリアやこれからの大学生活を前向きに、そして自由に思い描くための、非常に熱のこもった時間となりました。
