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イベントレポート

【活動報告】ロボット完成、そしてほろ苦い結末?「TOVLABくんプロジェクト」報告会レポート✨

イベントレポート

こんにちは!TOVLABくんプロジェクト、リーダーのなおたんです。

2025年11月から約3ヶ月間にわたって活動してきた「TOVLABくんプロジェクト」。

予算2万円、M5Stack2台を駆使し、TOVLAB入り口で迷っている人の背中を押すハイテク招き猫『TOVLABくん』を制作したこのプロジェクト。ついにロボットが完成し、集大成となる報告会を迎えました。

TOVLABくんプロジェクト学生メンバー。全員で会うのは1月ぶり。
お昼の時間帯にもかかわらず、MIDホールディングスの皆さまにもたくさんご参加いただきました。

しかし、正直に言います。今回の報告会は、決して「大成功の笑顔でフィニッシュ!」とは言えない、非常にほろ苦く、そして痛烈な学びを得る時間となりました。

1. ざっくり解説!「TOVLABくんプロジェクト」とは?

まずは、プロジェクトの全体概要を簡単にご紹介します。

目的: TOVLABの入り口で入室を迷っている人の背中を押し、利用者を増やす!
開発体制: プロジェクトメンバー 岩手大学 農学部・理工学部の学生5名
      技術顧問 ミッドホールディングスグループ様
完成したロボット: スーパーでお馴染みの「呼び込み君」に着想を得たハイテク招き猫『TOVLABくん』。
主な仕様: 予算2万円という制限の中、マイコン(M5Stack)を2台搭載。人が来たらセンサーで検知し、モーターで「手招き」、そして合成音声(ずんだもん)で「挨拶」をしてくれます。

これまでのTOVLABくんプロジェクトはこちらから!→https://ihatov-lab.iwate-u.ac.jp/archives/2821

2. プロからの厳しいツッコミと「真の学び」

当日の発表時間には約10分という制限がありました。

その中で、私たちが中心に語ってしまったのは「いかにこの活動が楽しかったか」「大変だったけど頑張った」という、単なる感想の羅列でした。

発表後の質問時間(質疑応答)では、技術顧問のMID様や参加者の方々から、現場のリアルを知るプロフェッショナルとしての厳しい、そして愛のあるツッコミが飛び交いました。

「もっと技術的な部分(マイコンの具体的な接続やプログラムの工夫)を語ってほしかった」

「結局、あなたたちはこの活動を通して何を学んだのか?」

「そもそも、どういう目的でこのプロジェクトを始動したんだっけ?」

鋭い質問に対し、その場である程度打ち返して返答することはできました。しかし、それでは遅かったのです。

本来、こうしたプロジェクトの「目的」や、泥臭く立ち向かった「技術的なプロセス」こそ、私たちがメインの発表時間の中で、自らの言葉で堂々と語るべき核心部分でした。

「モノを完成させること」に必死になるあまり、「そのプロジェクトの価値や成果を第三者にロジカルにプレゼンする」という視点がすっぽり抜け落ちていたことに気づかされ、チーム一同、痛烈な反省とともに大きな学びを得ました。

発表中のメンバー達。みんな緊張してる、、、?

3. 報告会で“伝えきれなかった”技術の裏側

発表時間内では上手く語りきれなかったものの、私たちがこの3ヶ月間で最も頭を悩ませ、そして最も熱いドラマが生まれた「泥臭い技術の裏側」をここに改めて書き残します。

TOVLABくんのシステムは、「メイン頭脳(Core S3)」と「運動神経(ATOM S3)」の2つのマイコン連携で動いていますが、その裏には数々のハードウェアの壁がありました。

ホラーロボット化を防ぐ極限調整センサーの反応が遅れて挨拶がずれる問題を解決するため、
センサーの監視ペースを「1/100秒に1回」にする計画を立案!
プログラムを極限までチューニングし、それが成功してラグなしの超高速検知が実現した瞬間は、一同で最高の気分を味わいました!
立ちはだかる「電力不足」の壁開発の道中で、私たちの前に最強の敵として立ちはだかったのが「電力不足」の壁でした。
手招きモーターが駆動するたびに電力を根こそぎ奪われ、メイン頭脳への供給が絶たれてシステムがダウンするというトラブルが続出。
何度も再起動を繰り返す機体を前に絶望しかけましたが、チーム全員で配線図をゼロから描き直し、電力消費のバランスを極限まで計算・修正することで、ついにこの目に見えない強敵を撃破しました!
厄介すぎた「デバイス間のデータ翻訳」ATOM(運動神経)からCore(メイン頭脳)へデータを送る際、ただ繋ぐだけでは動かず、相手側が正しく読み取れるようにデータを「翻訳」して渡すプログラムをゼロから構築。
ここに多大な時間を費やしました。
しかし、この難解な作業が完了し、データが通じたその瞬間……ついにTOVLABくんが動き出したのです!バラバラだった部品に命が吹き込まれたあの感動は忘れられません。
TOVLABくんをじっくり観察するMID社員さん達。
見てすぐに、どういったパーツの組み合わせで動いているのか、すぐに検証し始めたのが印象的でした。

組み立ての途中、何度も想定外のエラーに行く手を阻まれ、心が折れかけました。しかし、仲間と共に泥臭く戦い、試行錯誤の末に何とかシステムを正常に動かすことができたのです。

私たちがこの困難なプロセスから学んだのは、技術的な知識だけではありません。一人では決して超えられない壁を、チームで知恵を出し合い乗り越えていく「人と共同作業をする素晴らしさ」、そして、すべてがカチッと繋がりロボットが動き出した瞬間の「何にも代えがたい達成感」でした。

「楽しかった」という表面的な感想ではなく、この泥臭い苦闘のリアルと、仲間と共に壁を打ち破った熱い体験こそを、報告会の限られた時間の中で真っ先に伝えるべきだった――。それこそが、私たちが報告会を通して得た最も大きな反省であり、次に活かすべき最大の教訓です。

TOVLABくんの動作を実演するメンバー。
これを学生が作り上げたという事実と、この場でちゃんと動作してくれたことに、感動を覚えました。

4. みんなからのコメント:参加メンバーそれぞれの反省と成長

この報告会を経て、5名のメンバーは「技術」だけでなく、チーム開発の難しさや伝えることの課題など、それぞれのリアルな気づきをコメントしてくれました。

■ 藤本 直太朗(農学部1年/リーダー・センサー駆動班)

高校時代の学級委員長のリベンジとして挑んだリーダー職。機能削除や数々のバグに直面しながらも、実質的な開発作業の多くを一人で背負い込み、チームを牽引しました。(それが逆に良くなかった部分でもあり、、、)報告会を通して、プロジェクトの「目的」を共有し続けることや、チームへの「適切なタスク分散(人に頼ること)」の難しさと重要性を深く学びました。

■ 佐藤 鈴音(理工学部3年/センサー駆動班)

チームのサポート役に回った最年長。活動を振り返り、「なおたんがほとんど1人でやってくれていて、負担が凄かっただろうなと反省しています。リーダーとしてチームを支えてくれて本当にありがとう」とコメント。チーム開発における「タスクの偏り」というリアルな反省点に気づき、心理的安全性を担保するだけではない、チーム連携のあり方を痛感しました。

■ 久米田 大樹(理工学部2年/音声班)

「顔画像の軽量化」など実践的な課題に自ら気づき、楽しみながら深く学んだメンバー。「ハードウェアの前提知識を踏まえてプログラムを組む重要性」を痛感し、IT分野への学習意欲がさらに高まりました。報告会では伝えきれませんでしたが、こうした「ハードとソフトの密接な関係」を理解できたこと自体が、大きな技術的成長でした。

■ 中澤 杏介(理工学部 マテリアルコース2年/センサー駆動班)

途中参加ながらもしっかりと組み込み機器の製作方法を学んだ救世主。「もっと色々な機能を試したかった」という意欲を見せ、この活動が「就職や進学の面接でも語れる貴重なチーム活動の経験」になったと実感しています。クリスマスイブのバグ解決など、自分が取り組んだ「仮説検証のプロセス」こそが、面接等で胸を張って語るべき成果だと気づかされました。

■ 千田 羽奈(理工学部1年/音声班・デザイン)

プログラミングは全くのゼロからのスタート。大変な苦労がありましたが、チームの協力によって「モノ作りの楽しさと大きな達成感」を味わうことができました。「大学の授業だけでは得られない実践的な知識を吸収できた」というコメントの通り、生み出した付加価値を今後はどう外部へアピールしていくかという新たな視点を得る、非常に充実した経験となりました。

MIDホールディングスの皆さまからの質問に、メンバーが自分たちの経験をもとに答えている様子。

5. 今後の展望:失敗から得た「一生モノの財産」

「教科書を100回読むより価値がある」

今回のTOVLABくんプロジェクトで得た学びは、まさにその言葉がぴったりなものでした。

限られた予算と期間の中で、自分たちの手でロボットを構想し、試行錯誤を重ねながら完成までたどり着いたこと。思うように動かない場面に何度も向き合い、原因を探り、仮説を立て、改善を重ねてきたこと。そして報告会では、自分たちの取り組みを第三者に伝える難しさにも直面しました。

完成させることに全力で取り組んだからこそ、「なぜこのプロジェクトを行ったのか」「どのような課題を乗り越えたのか」「そこから何を学んだのか」を、自分たちの言葉で伝えることの大切さを実感する機会となりました。

技術面では、センサーやマイコン、音声、モーター制御など、授業だけではなかなか触れられない実践的な領域に挑戦しました。さらに、チーム開発における役割分担や、リーダーへの負担の偏り、メンバー同士の情報共有の難しさなど、実際にプロジェクトを動かしたからこそ見えてきた課題もありました。

今回得た「MVP思考」や「技術的なブレイクスルーの経験」はもちろん、「目的を見失わないこと」「チームで負荷を分散すること」「技術的な成果を自分たちの言葉で伝えること」は、今後の大学での研究や、社会に出てからのあらゆるプロジェクトにおいて、必ず活きる力になるはずです。

完成したTOVLABくんは、学生たちの挑戦と試行錯誤の積み重ねによって生まれたロボットです。今回の報告会で得た気づきを踏まえ、今後の活用方法についても検討していきます。

うまくいかないことも、悔しかったことも、嬉しかったこともたくさんありました。それでも、みんなで考えて、手を動かして、最後にTOVLABくんを完成させることができた時間は、私たちにとって本当に大きな経験になりました。

このプロジェクトで得た学びを、これからの研究や活動、そして次の挑戦につなげていきます。

最後に、技術面で丁寧にサポートいただいたMIDホールディングスの皆さま、報告会にご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。

TOVLABくんプロジェクトを一緒に走り抜けたメンバーと、
技術顧問としてプロジェクトを支えてくださったMIDホールディングスの皆さま。

左前:小川さん(技術面サポート)
右前:箱石さん(技術面サポート)
右後ろ:黒沢さん(プロジェクトサポート)

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